セルフケア:ホリデーシーズン

2007-12-05更新
写真12月になった。私の住むニューヨークではすっかりホリデーシーズン一色である。ロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリーが点灯され、イルミネーションが街中にきらめき、あちこちからクリスマスの音楽が聞こえて、買い物客と観光客でひしめき合う街は浮き立つようなざわめきの中にある。

日本でも師走のこの時期、忘年会やクリスマス、お歳暮商戦、ボーナス、年賀状書き、大掃除、お正月の準備など、年の瀬ならではの活気にあふれていることだろう。

にぎやかで華やか、楽しい季節であるが、同時に心のバランスをくずしやすいときでもある。日常の変化は、例えそれが楽しいものであっても大なり小なりのストレスをもたらし私たちは影響を受ける。

やらなくてはならない事柄、出かけなければいけない用事、やっておきたいこと・・・時間的に忙しくなるだけでなく、それがしばらく続けば気持ちの上でも余裕が減ってくる。

「年賀状書きを終わらせなくちゃ」「あの人にも忘れないようにお歳暮を送っておかなくちゃ」「あれをしてこれも・・・」と、一人で抱え込みすぎる傾向はないだろうか。自分で忙しさを増長させてはいないだろうか。

また、この季節は家族や友人など人と交わる機会が多いため、人間関係やお付き合いでのトラブルが増えやすい。仲の良かった人ともめごとになったり、逆にそうでもなかった人と近づいたり。夫婦、子供、両親、兄弟、親戚など家族の距離も同じように密接になったりケンカが増えたりで、ストレスの種になりやすい。

更にホリデーシーズンというのはいろんな思い出や感情を呼び起こさせるものである。

楽しかった記憶、いなくなってしまった人たち、子供の頃の思い出、帰省できない事情、両親との関係、、、それまで心の奥に潜んでいたものが思い出され浮かんできて、寂しさや悲しみ、怒り、孤独感、喪失感、憂鬱感を感じることは稀ではない。実際に、カウンセリングを訪れる人が急増するのがホリデーシーズンである。

それではこの時期をどのように過ごすのが良いのか。

まず第一に、この季節はただでさえストレスの増える、感情の揺れる季節だという予測を持っておくことである。気持ちの準備があるだけで、過大な期待をせずに済み、ものごとがうまくいかなかったときそれを受け止めやすくなる。

「楽しいはずのクリスマス・お正月がどうしてこんな結果に・・・」なんて思わないことだ。そんなこともある。そんな年もある。でもだからと言ってそれが全てではないということだ。

心のストレスを減らすためには、「この時期、この行事はこうであるべき」という概念を緩めること、できれば捨てることである。「こうしなければ」「こうするべき」という思いは、自分自身をがんじがらめにして気持ちをを硬くし、更なるストレスを呼び込みかねない。もっと気楽に、柔軟にいっても大丈夫。失敗したってやり直せば大丈夫。考え方をちょっと変えるだけ気持ちがぐっと楽になるのだから。

あなたの表情が和らげば、それは必ずやお子さんの心の平穏につながることを覚えておこう。

いろんな感情が押し寄せて気持ちが沈んでしまったら、自分の周りに居心地のいい空間を作ると良い。見ているだけでほっと安らぐもの、使っていて幸せな気分になるもの、大切にしているもの。

そんな小さなものを生活空間の中にできる限り置いて、日常に少しでも多く取り込むこと。お気に入りの洋服を着ることでも、好きな音楽を聴くことでも、癒しのマッサージに行くことでもなんでも良し。あなたにとって居心地の良いものは、きっとあなたのポジティブなエネルギーを上げてくれる。

そして、あなたの周りにいる大切な人を大事にすることだ。「してあげる」「やってあげる」という気持ちは無意識のうちに相手に見返りを期待してしまうので注意が必要である。

この季節に大切な人と関わり合える喜びを純粋に味わい、その気持ちを言葉や態度に出してみる。表現できたらあなたの心に愛情があふれだし嬉しくなるはずである。

さて私もゆっくりながらホリデーシーズンの準備をしつつある。心の隅で日本の年の瀬に思いを馳せながら、慌しく過ぎゆく毎日の中、この時期にしか味わえない“いろいろ”を私なりに楽しもう思っている。

ここを訪れてる皆さん、この季節セルフケアを忘れずに、心も身体もあたたかくお過ごしください。
(青木 貴美) →プロフィールはこちら
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